明治から昭和までの文士や文化人たちをとりこにし、うならせてきた資生堂パーラーの伝統の味。歴代のシェフが長年に受け継ぎ、今なお磨かれているおいしさの秘密をひもときます。
資生堂パーラーに、アルデンテは存在しない。
それはかために茹でたマカロニを、すぐにベーコンのうまみをつけたコンソメに浸し、寝かせます。それが、資生堂パーラーにアルデンテは存在しないと言う理由。こうすることでマカロニがほどよいやわらかさになり、ソースのなじみが良くなるのです。あとは海老をのせ、トマトソースをたっぷりかけ、エダムチーズをまとわせオーブンへ。一般的にはホワイトソースですが、トマトソースを使うのが資生堂パーラー流です。最後の味つけは、香ばしい焼き色。さあ、熱いうちに召し上がれ。